個性豊かな作品が一同に!
~第59回全国ファッションデザインコンテスト~2022.10.27
衣装を着たモデルさんが登場するコンテスト
年に一度、杉野学園の主催で開催される「全国ファッションデザインコンテスト」。なんとコロナ中も行われていたそうで、今年は、最終選考が2022年10月15日、都内にある「SUGINO HALL」で開催されました。
このコンテストでは、1次選考としてファッションデザイン画といわれる、デザイナーが洋服などをデザインするときに描くデザイン画を全国の大学生や専門学校生から募集。
1557点の応募作品の中から選ばれた28作品は、この日までに応募者が実際の洋服に仕上げ、当日はモデルさんに着てもらってファッションショー形式での選考で行われます。
ホール内では、中央にランウェイが設置され、続々と関係者さんらが入場すると、場内は少しずつ緊張感ある雰囲気に。
審査員には、人気デザイナーや日本を代表するアパレルメーカーなどファッション業界の関係者がずらり。このコンテストへの注目度や期待感が高いことがうかがえます。
ショーがスタートし、一次審査を通過した衣装を着たモデルさんたちが次々に現れると、場内からは声にならない歓声が聞かれました。
全体的にモノトーンの洋服が目立ちましたが、SDGsを意識し自然環境に配慮した素材でつくった作品や、自然や人体をテーマにした作品、あるいは3D印刷といった最新の技術を用いた作品など、プロ顔負けの力作が次々と登場。
その後休憩をはさみ、いよいよ審査発表です。
文部科学大臣賞などが決定!しっかりと将来を見据えている受賞者たち
最優秀賞の文部科学大臣賞にはアンファッションカレッジの松井花さんが選ばれました。審査員の一人からは「1位の作品は満場一致で決まりました。コンテストのためではなく、普段きちんと着ることのできる服というのがこういったコンテストでは大事なのですが、その点からも完成度が高い作品だったと思います」とのコメントが。
「立体的なフォルムと、軽さのある曲線で波模様を表現した点に一番こだわりました。洋服に仕上げるのは大変でしたが、この学校で学ぶのが念願だったので、学んだ結果として賞を取れてうれしいです」と、は松井さん。将来の夢を「ファッションデザイナー」と語るのも納得です。
東京都知事賞に輝いた国際ビューティ&フード大学校の渡邉真優さんの作品は、黒と白の模様を活かしたボーダレスでユニセックスな作品。「オズの魔法使いをテーマに、矢絣の中に洋風の雰囲気も出しました。先生が生徒ひとりひとりに丁寧に教えてくれるのでここまでこれたと思います」とは渡邉さん。
また、杉野芳子賞に輝いたドレスメーカー学院の松村美里さんの作品は、黒の水引をリボンのように使用した繊細なシルエットが特徴的な作品。「“線”のシルエットがポイントになるので、作品が自立するよう、素材選びから縫い代の始末に至るまで、先生と一緒に研究しました。この学校を選んだのは“いい服には、法則がある”という学校のコンセプトに共感したからです」とは松村さんのコメント。
2人にも将来の夢を聞いてみると、「パタンナー」「テーラード系の洋服のデザイナー」と即答で、ファッションの仕事の中でも、しっかり自分の方向性を見据えているのが印象的でした。
小さなときから、この道に…
また、この日は、第Ⅱ部として、同じ施設内で、高等専修学校や高校生を対象にした同様のコンテストのファッションデザイン画の展示や、表彰式も行われました。こちらの部はイラストだけでの選考ですが、どれも力作ばかり。高等専修学校に在籍している生徒さんが2名入賞したので、それぞれお話を聞きました。
東京都知事賞に輝いた横浜デザイン学院高等課程の中山桜さんは「小学生のときからファッツションに興味があって高校からこの道に。絵には苦手意識があったのですが、母のアドバイスもあって今回は恐竜のトリケラトプスをモチーフにしたのがうまくいったと思います。将来は縫製など実際に作る方に進みたい」とコメントを。
また、優秀賞を受賞したアンファッションカレッジ高等課程の稲垣葵衣さんは、「中1のときからファッションの道に進みたいと思ってこの学校に。1対1で丁寧に教えてくれるのもこの学校の魅力です。作品は、自然にあるものに1つとして同じものはないので、それを花で表現しました」とのこと。
コンテスト終了後は、会場全体を包んでいた緊張感も解け、和やかな雰囲気に。参加者同士はもちろん、参加者と応援に来ていた家族や友人知人などが声をかけあい、あちこちで「おめでとう」「おつかれさま!」という声が聞かれていました。
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