実施概要
文部科学省では、専修学校が担う職業教育等の魅力発信力を強化するため、効果的な情報発信の在り方について検討・検証を行う「専修学校と地域の連携深化による職業教育魅力発信力強化事業」を実施しています。
その一環として、より魅力的な情報発信に向けて、専門学校や高等専修学校の魅力を“在校生目線”で取りまとめる必要があるとの課題認識から、令和5年7月から8月にかけて、アンケート調査だけでは把握できない、解像度が高い在校生の“本音”を集めることを目的に専修学校おススメポイント調査を行いました。
- 「専修学校おススメポイント調査」は以下の目的・方法で実施しました。
- 結果として、1,480 件(うち生徒本人回答1,456 件)の声を収集することができました。
1.目的
実際に専修学校に通う在校生からの「リアルな声」を集め、文章解析AI を活用して解像度の高い具体的な専修学校のおススメポイントを把握し、専修学校の魅力を効果的に発信する広報戦略策定に資するとともに、専修学校のおススメポイント自体をコンテンツ化して広報戦略に活用する。
2.対象
専門学校及び高等専修学校の在校生。
3.調査方法
Insight Techの仕組み(特許取得済み)を活用し、常設の「声収集ページ」として調査実施期間(令和5年7月13日~8月10日)を通じて開放。PC またはスマートフォンから回答可能。
会員登録や個人情報回答は不要とし回答負荷を下げる。気づいたときに気づいたことを投稿できるよう、調査実施期間中は何度でも回答可能とする。
4.案内方法
文部科学省から各専修学校へ調査案内を発出して、生徒への周知を依頼。
- 「専修学校おススメポイント調査」では以下の設問で専修学校に対する評価・良かったと思う出来事を聴取しました。
- このうち、「この学校にして良かったなと思った出来事」(以下8 番)を文章解析AI で解析し、生徒の生の声から専修学校の強みを抽出しました。
満足度(5 段階)の分布状況~専門学校・高等専修学校ともに高い満足度~
- 全体の53%が「大変満足」としており、「やや満足」と合わせると約9 割が満足と回答しています。満足度が非常に高いという結果になりました。
- 専門学校と比べて高等専修学校の生徒からの回答数は少ないものの、どちらの学校区分でも高い満足度が得られています。
他者推奨意向(11 区分)の分布状況~極めて高い他者推奨意向~
学校を他者にどの程度推奨したいかを11 区分で聴取した結果、一般に「推奨者」として認識される推奨度10 または9が全体の45%となり、非常に高い他者推奨意向となりました。一般に「批判者」と言われる6 以下は僅少となっています。
学校区分別に見ると、高等専修学校(回答数が僅少である点に注意)においてやや推奨度が低い分布となっていますが、「推奨者」に当たる推奨度10 ・9 が一定を占める構造には変わりなく、全体として極めて高い他者推奨意向となっています。
・11区分の他者推奨意向を3 区分に集約すると、全体では45%が推奨者であり、批判者の24%を大きく上回っています。
文章解析AI による評価ポイント
意見対象部ランキングから見る評価ポイント
最も多いのは「先生」に対する評価であり、次いで、「実習」「友達」「勉強」「先生との距離」と続きます。実習を通じて実践的な学習・勉強ができ、先生との距離がその理解・習得を後押ししている様子がうかがえます。
意見タグランキングから見る評価ポイント
・意見タグで見ると、「先生が優しい」が最も多く、「先生が教えてくれる」「学費が安い」「先生との距離が近い」「身に付く」「資格が取れる」「行事がある」「実践的な授業が多い」、「先生が相談に乗ってくれる」と続きます。
・授業や行事が実践的で充実しており資格取得につながるとの意見と読み取れ、そのような成果を先生の丁寧で親身な対応が支えていることが推察されます。
専修学校おススメポイント調査 総括
定量集計からみえること
非常に高い満足度が他者への推奨意向をもたらす。
フリーコメント×文章解析AIからみえること
授業・設備等の機能面に加え、夢を同じくする仲間や先生・先輩との良好な関係性への評価が高く、これが将来の自己実現につながるとの期待が強い。
本調査の結果として、定量設問からは、非常に高い満足度であることが確認され、そのことが他者への推奨意向(「自分の学校を自慢したい」「後輩に勧めたい」という気持ち)をもたらすことが分かりました。
また、在校生の“本音”のコメントからは、「カリキュラムや施設が充実していること」だけでなく「実践的で高度な技術を持つ先生が親身に教えてくれること」、「先生や先輩との距離が近いこと」、そして「クラスメイトと同じ夢に向かって頑張れること」などが、専修学校のおススメポイントとして浮き彫りになりました。