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産学連携が生み出す熱量に沸く「専門学校の学び」の現場山口 容子(学校法人文化学園 文化服装学院 ファッション流通専門課程 教授)

文化服装学院の職業実践専門課程では、実務家や卒業生による特別講義、またコラボレーションやコンテスト等をはじめとした様々な産学連携の取り組みを積極的に行っています。わたくしたち担当の教員陣においては、それら取り組みの一つ一つを、学生たちの目の前の学びに最大限活かし、また学習成果につなげるべく、日々さまざまな研鑽を重ねております。

さて、専門学校の学びの現場に携わる教員について、メールマガジン第3号植上一希教授のリレーコラムで、専門学校教員へのインタビュー調査より「その職業を目指す学生たちに向き合っている」と紹介いただきました。わたくしなりにこのお言葉をさらに読み替えますと、「学生たちの学びの熱量に、わたくしたち教員も熱く応じている」ものと思います。産学連携の活動と学びは、まさに、このことを顕著に感じられるシーンと言えます。そのひとつを紹介させていただきます。

昨年度より続くコロナ禍での授業は、いわゆる一般的なオンライン授業や動画の作成などの対応だけでなく、「オンライン」という授業形態を通して、対面では得ることのできないプラスの効果を探りつつ、進めてまいりました。

そうしたなかで、ひとつの有効な取り組みとして効果が確認できたものが、産学連携で実施した代官山セレクトショップのノベルティ企画(科目名:マーケティング)でおこなった、オンラインツールを活用したグループワークです。

オンライン上のスライドをグループメンバーで共有しアクセスし、音声チャットでディスカッションしながら各々リサーチした情報共有からプレゼンテーション資料作成までを行いました。

対面授業と比べて「伝え方」に比較的工夫が必要なケースであるとの想定に反して、この学習においては、本来「話すことが苦手」な学生が、意見の書き込みをしたり、与えられたツールを活用し活発に実習を進めたりと、積極的な授業参加を確認することができました。

これは対面授業で行うグループワーク以上の成果であったと感じており、プレゼンテーションや学生の行ったリサーチから企画立案のプロセスを含め、当該科目のコラボレーション企業さまから高い評価を得ることができました。そして何よりまた、大きな熱量をもって活き活き学ぶ学生たちの姿に、わたくしども教員がワクワクと熱い気持ちにさせられ、教育のさらなる改善向上に向けて、決意を新たにするのであります。

産学連携の授業では、シラバスに合わせて学生理解が深まるよう、毎年工夫を重ね行っていますが、私たちの期待を超えて成長する学生を何度も見ております。ファッション業界で活躍をするという目標を持った学生たちは、その“好き”という想いで多くを吸収していき、時に私たち教員が思いもかけない「ジャンプ」ともいうべき大きな成長を見せてくれるのです。学生たちの成長は、わたくしたち教員にとっての何よりの喜びであります。

専門学校の学びの現場、産学連携の取り組みの現場は、今日も、ポジティブな熱気に沸いています。

(メールマガジン第6号(2021.7.5配信)に掲載)