不安を抱えている教職員に読んでほしい、不安との向き合い方飯塚正成(一般社団法人全国専門学校情報教育協会 事務局長)
新型コロナウイルス感染症の拡大や長期化は、専門学校教育に今までに体験したことのないレベルでの感染症防止対策や遠隔授業を実施せざるを得ない状況を引き起こしました。
私共の協会には、「夏休み明けの授業実施体制は、、、」「他校が行っている具体的な感染症防止対策は、、、」「遠隔教育で効果を上げる方法は、、、」等のお問い合わせが寄せられ、現場担当者で起きている長期間にわたる強い不安や混乱を感じることとなりました。
そこで、こうしたストレスや不安を解消するためのヒントとなるような2例とその対処例を共有したいと思います。
*事例は、インターネット上に沢山公開されていますので、各自でネット検索していただければと思います。
1.答えのない問題を考え続けてしまう場合
「自分は感染症にかかってしまうのか?」「遠隔授業をうまく実施できるか?」「自校でクラスターは発生しないか?」等の答えのない問題を考え続け、冷静に対策を考える事が出来なくなってしまうことはありませんか?こんな状態が長引くと何も行動できずにただただ悩み、落ち込み続けるだけの状態となってしまいます。
こんな場合は、答えの出ない問題は「解なし」と割り切り、今、自分にできることだけを考えてみる。「感染者やクラスターを発生させないために、今自分にできることは何か?」「遠隔授業を実施するために、今自分に準備できることは何か?」といった具合に考える目線を変えてみるのも有効なようです。
2.情報が多すぎて気持ちが整理できない場合
「不安過ぎて暇さえあればネットで情報収集をしてしまう」「無意識のうちにテレビ、ネットニュース、ネット検索、SNS等で自分の不安に関連する情報を探し続けてしまう」等は、安心な情報を見つけては「この情報は信じられない。」、不安な情報を見つけては「やっぱり怖い。」といった具合に情報を収集すればするほど悪循環の無限ループに入ってしまいがちです。ちなみに、「コロナ鬱」にならないためにも、ニュースの追っかけをやめることが精神科医によって提案されているようです。(PRESIDENT Online「激増する「コロナ鬱」を避けるための5つの予防法」)
こんな場合は、その時々の状況に合わせて自分の心身をなだめてあげることが大切なようです。大人なら、自分の機嫌は自分でケアするってことですね。例えば「いつもより長く睡眠を取る」「ちょっと贅沢しておいしいものを食べる」「趣味に没頭する、新しい趣味を始める」「友達とオンライン飲み会で楽しい会話をする」といった、セルフケアの手段をたくさん持つことは有効なようです。
人は、不安やストレスに支配されてしまうと思考が偏る傾向にあり、幸せな気持ちもどこかへ遠のいてします。不安な気持ちをうまく調整し、適切な行動ができる自分に近づいていきたいものです。
新型コロナウイルスの感染拡大には、以下のようなポジティブな側面もあります。
・世界中で3人に1人が、「今回の出来事をきっかけに、大切な人たちとの距離が詰まった。」と感じる。
・世界中で3人に1人が、「いつも以上に人と人が助け合うようになっている。」と感じている。
・世界中で10人に6人が、「この出来事が、人生で本当に大事なものを考える機会となった。」と考えている。
*出典:株式会社マッキャン・ワールドグループホールディングス
物事には暗い側面ばかりでなく、明るい側面もあるということを意識して日々成長して行くことを心掛けたいですね。
(メールマガジン第14号(2021.10.25配信)に掲載)