高校生の進路決定に必要な情報公開福本剛史(全国高等学校進路指導協議会 事務局長)
令和3年3月 文部科学省初等中等教育局から「高等学校教育の現状について」の情報提供がなされた。その中の資料「高校生の卒業後の進路状況(学科別)」によると、令和2年度卒業生の中で専修学校へ進学した生徒は普通科で21.0%、専門学科で21.9%、総合学科で32.0%であった。令和2年12月25日に発表された、令和2年度学校基本調査(文部科学省)によると、専門学校進学率は全体の24.0%で、前年度より0.2ポイント上昇し過去最高となった。
令和2年度の高校生の進路活動は、未曾有のコロナ禍の中、また大学入試改革元年の状況下での活動であった。そのため、例年とは異なった考えと判断が問われるものであった。
専修学校においては、例年よりも早い時期から出願する者が増加し、各専修学校からは早期の募集停止の知らせが各高校に多く届けられた。
この様な状況において、生徒たちにとって大切なことは、早い時期から進路意識を持ち、職業について知り、ガイダンスなどで直接お話を伺いながら、自分の将来について考え目標を持った行動を行うことである。また、進学希望者は、自分の目指す教育をしっかりと行っている学校を選択する必要がある。現在はネット社会で、様々な情報が簡単に収集できる時代である。しかしその中には、信頼性に欠けるものも多く、正しい情報を得る力が大切である。
今年3月から文部科学省により「専修学校 #知る専」の実施が開始された。これは、専門学校や高等専修学校をはじめとする専修学校の魅力発信を強化するために作られたものである。公的機関が関わる情報の利用は、生徒たちが正しい情報を収集する一つとなると考えられる。特にこのサイトに動画や記事を掲載している学校からは、より正確な情報の提供がなされる事が望まれる。例えば、入学生徒数と卒業者数・教職員数(常勤・非常勤者数)・資格取得状況(実数)・就職希望者数と実際の就職者数・その年の卒業者の進路先(職種を含めて)などの情報は生徒の進路活動に有効的な情報であると考えられる。今回のサイトに掲載される学校には、Webサイト等においてこれらの情報提供をしていただきたいと考える。
生徒たちの進路が多様化する中、「専修学校 #知る専」が“道しるべ”となり、有効的に活用されることを期待している。
(メールマガジン第17号(2021.12.7配信)に掲載)