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#知る専コラム

可能性が広がる!IT系専門学校の強さ野本修平(学校法人 三橋学園 船橋情報ビジネス専門学校 教務課長)

私は教員として「学生の幸せの為に自己犠牲を図り、彼らの笑顔をみて自己満足をする」ことをモットーに日々面白おかしく学生たちと過ごしています。更に私はとても幸せだと感じています。

<IT系の専門学校って>
これは私の持論ですが専門学校に入学するのに高校時代の成績はそれほど関係ありません。大切なのは入学してからの「努力の熱量」です。その熱量が道を開き、幸せな人生をつかみ取るために必要な最も大事な要素です。これがあれば何でもできます!!そしてそれを最も活かせるのが実は「IT系の専門学校」なのです!

1、田舎育ちのある学生の話
千葉県の田舎育ちの「彼」はいつもフラストレーションを抱えていました。「こんな田舎じゃいやだ、もっと明るい街に行きたい!」。彼は高校進学の際、指定校推薦という枠を使い、全くと言っていいほど学習をせず高校への進学を決めました。
そんな彼も3年生になると就職、進学の話から避けられることもなく、ただ「まだ働きたくない!」という理由から大学進学を考えるようになりました。しかし、評定は2.2程度、欠席も多い、もちろん進学できるだけの学習もしておりません。
そこで彼は高校の先生から「指定校推薦なら大学にいける!」と勧められ、何の目的もなく都内の大学(経済学部の夜間主コース)へ進学することになるのです。

◆クエスチョンです◆
彼は大学に行きどんな企業に就職するのでしょうか?想像してみてください

2、楽しい毎日から、焦り始める日々
彼は都内の大学へ進学し、出席カードのみを大学に提出し、授業には出席せずアルバイトをする生活を始めました。毎日がとても楽しく将来の事はほぼ考えることもありません。 しかし彼も3年生、4年生になり「あれ?俺、次は何すればいいんだろう・・・。」と悩みだしました。何もしてこなかった彼は心底焦りました。「今まで俺は何をしてきたんだろう、この先何ができるんだろう、今のまま仕事につけるはずもない・・・」。彼はそんな中でも「都内の高層ビルでキレイな景色を見て働きたい!年収は30歳で800は欲しいな!」と考えましたが、そんな企業にいきなりは入れません。さぁどうする・・・。

◆クエスチョンです◆
彼はその後、どんな人生の選択肢をとるのでしょうか?

3、背水の陣で、7カ月の猛勉強
彼は千葉県のIT系の専門学校に進学をすることにしました。きっかけは高校時代のクラスメイトから「俺、IT系の企業に就職するよ!年収も結構良いよ!」と飲み会で聞いたことでした。 「俺に今からでもできるかなぁ・・、でも今やらなきゃな!」。そう感じた彼はITの資格に強い学校を調べ、入学試験を受け、見事IT系専門学校に入学できました。周囲の学生は18歳、彼だけ22歳という環境で「今までのままじゃだめだ、絶対に全校で1位を取る!!」と心に決め、あらゆる資格取得に挑戦し、学習の中でできたクラスの友人(今までなら絶対に絡むこともない人)と切磋琢磨し、就職活動を通じて普通では入社することが難しいIT系コンサルティングファームや、その他大手企業から複数社内定を得ることが出来ました。学習期間は「1日5時間、期間は7カ月」です。

この「彼」は何を隠そう私です。大学まで自分自身の将来を真剣に考えずに、「楽しむだけの自分の殻」にこもっていた自分が、22歳で専門学校に入学し、初めて真摯に学んだ結果です。今思うと信じられないような出来事ですが、これこそIT系専門学校が秘めている可能性です。自分で手を挙げ、自分自身と向き合い、挑戦することが出来れば誰でも得ることができるチャンスなのです。

◆クエスチョンです◆
IT業界で必要なのは数学的知識ですか?英語ですか?それとも・・・。

4、なぜ7カ月の学習でそこまで評価されるの?
IT企業で必要なのは「ITを学び成長できるか?」という伸びしろと「しっかりとコミュニケーションがとれるのか?」というビジネススキルです。もちろん今まで学習してきた成績は就職試験でも評価対象になりますが、それ以上にこれからの成長する意識が大切です。またITの知識を高校、大学でどんなにつけても入社してから配属されるプロジェクトに1年前からいる先輩に最初から勝つことは絶対にできません。プログラミング作法も違えば関わるお客様や業界も多種多様だからです。
このように様々な背景からITは「ゼロ」からのスタートを切ることができる業界なのです。どんなに高校までITを学習しても、正直なところ95%の学生は専門学校入学時「ドングリの背比べ」です。そこからどれだけ学習し、自分自身の「壁」を乗り越えたかが大切です。そのたった1年の学習量で就職活動を勝負できるのがIT業界であり、実力がある人がどんどん評価されるのもこの業界の特徴の一つです。

5、まだまだ私たち教員が足りていないこと
IT系の専門学校は学生の成長次第でどこまででもチャレンジできる場所です。ただ学生がその環境で飛躍するためには我々教員が学生のことを心底愛し、大人として手本となり、ともに真剣に戦うことが大切です。
居眠りしている学生には「母親」のように小言を言い、何かを達成した時は一緒に喜ぶ。人として悪いことをしたときは「父親」のように雷を落とし、相談を受けたときは「人生の先輩」として聞き入れ、楽しんでいるときは「友達」のように一緒に笑う。そして熱を帯び、知識を持ち、彼らを卒業に導くのが「専門学校の教員」です。
正直大変なことはたくさんあります。ただ彼らが卒業式に「この専門学校でよかったな」と思えるような場所を提供したいといつも思っています。

野本修平(学校法人 三橋学園 船橋情報ビジネス専門学校 教務課長)

2007年4月、日系コンサルティングファームへ入職。公共機関、通信キャリア、金融系企業においてプロジェクトマネジメント、業務改善プロジェクトを経験。2016年4月より現職である船橋情報ビジネス専門学校に入職。2023年4月より教務課長に就任。

(メールマガジン第47号(2023.12.11配信)に掲載)