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専門学校から新卒採用する経営者の本音平井伸幸(株式会社レボル 代表取締役)

私は美容室の経営者で、美容専門学校から新卒採用をしています。高卒と大卒採用もしており、学生とはインターン、アルバイト、採用試験で接しています。
また外部評価委員のメンバーとして専門学校運営に関わり、専門学校、高校、大学などで講義をすることもあります。

このように多くの生徒や先生と関わる中で、経営者から見た専門学校のすばらしい点と課題になる点を書きます。

すばらしい点の1つ目は、先生と学生の距離感です。
いつも驚かされますが、先生がまるで親のように生徒に愛情を注ぎ、個性を重視した人間関係をつくっています。
生徒数が大学に比べて少ないからなのか、専門分野で共通する価値観ができるのか、また先生の経験や人間性によるものなのか、わかりませんが、とても温かみを感じます。

清掃やあいさつといった規律の高さも特徴です。訪問の際に大きな声であいさつしてくれ、いつもうれしくなります。日頃から先生が学業だけでなく、人間的成長や社会人として通じる人材にするための指導を行なっているからだと思います。生徒一人一人への心のケアをする様子もよく見かけます。
そのような人間関係があるので、当社でも卒業後、学校に遊びに行く社員が多くいます。この点は大学とかなり違うと感じます。

2つ目は、やはり専門性の高い人材を育成できる点です。
たとえば私の業界、美容師においては国家資格であり、筆記と実技の試験があります。試験範囲がかなり広く、授業のコマ数を多く取ります。そして生徒も先生もプレッシャーがかかりますが、2年で国家試験に合格することがマストになります。国家試験に落ちると内定が取り消されてしまう企業もあると聞きます。
国家試験対策だけではありません。美容師として必要な、接客、カウンセリング、タイムマネジメントなどのサロンワークスキル。メイク、着付け、ネイル、まつ毛といった技術習得もあります。
学校によってヘアコンテスト、ヘアショー、海外研修などもあります。
専門分野において
・必須な技術と知識、資格
・現場で必要なスキル
・関連技術の体験学習、選択式学習
と学ぶ範囲が広いです。このような勉強ができるのは専門学校ならではです。
2年間がぎゅっと凝縮しています。アルバイトをする生徒もいますが、忙しさに感心します。

3つ目は、業界との強い繋がりです。
多くの専門学校では、企業との連携やインターンシップの機会が豊富に提供されています。在学中に実際の仕事を経験することができ、卒業後の就職活動においても有利になります。さらに、業界の最新情報やトレンドをいち早くキャッチすることができるため、常に最新の知識を持ち続けることができます。

最後に私が感じている課題になります。
好きなことや得意なことを学び、それを仕事にできるということは非常に大きな喜びです。
しかしプロの世界は競争です。挫折を繰り返し、努力を重ね突破していく心の強さが必要です。
お客様やユーザーからの評価が可視化される時代でもあります。
企業に入ると「やりたいこと」と「やるべきこと」のギャップも出ます。

なんとなくで就職先を決め、理想と現実のギャップから、せっかく学んだ専門分野を早期にあきらめる人が出ます。
挫折を乗り越えるのは願望の強さだと思います。
生徒一人一人の願望を引き出し、強く太くする、そしてもっとも合致した進路指導を行う、まだ10代・自分自身のことを知らない生徒が多いはず、前述のように生徒と近い専門学校の先生だからこそできることだと思います。

経営者も願望が明確で、価値観を共有できる学生を望んでいます。ミスマッチは誰も幸せになりません。

中学生や高校生の皆さんにとって、専門学校で学ぶことは非常に有意義な選択肢です。
専門学校で学び、プロとして通じるスキルを持つ人材は、国内はもちろん海外でも活躍できる時代です。
無限の可能性のあるみなさん、大きな夢を持ち、実現していきましょう。

平井伸幸(株式会社レボル 代表取締役)
静岡県静岡市生まれ。大学卒業後、大手人材会社で8年間勤務。2007年株式会社レボルからヘッドハンティングされ入社。同社直営美容室にて美容師の働き方改革を行い、3店舗から13店舗に店舗を拡大。その経験をもとに全国500店以上の取引先美容室に対して、経営指導、セミナー講師、コンサルティング、後継者育成を行っている。

(メールマガジン第55号(2024.8.26配信)に掲載)