専修学校
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第13回 佐賀星生学園 江川裕哉先生2025.03.05

2011年に開校した佐賀星生学園は佐賀市内にある高等専修学校で、3学年、約220名の生徒が学んでいます。不登校など学校生活に問題を抱える生徒の存在を知った加藤雅世子校長先生が「こども側に立った教育が必要。学校は本来楽しいところだということを知ってほしい」という思いから設立しました。入学後、中退する生徒はほとんどいなく、生徒それぞれが自分らしさを取り戻し、卒業後は進学や就職など、それぞれの道へ進んでいきます。

「学び」の楽しさを知って、次に進んでほしい

もともと理科が好きだったことと、生徒が成長していく「学校」という大切な場所に自分ができることをお返しきたら、という思いから教師を目指したという江川裕哉先生。

佐賀大学4年生の時には、出身の長崎県の公立学校の先生を目指していましたが、アルバイト先の社長さんからこの学校のことを教えてもらい、校長先生たちから学校の話を聞いて、「いい学校だな。ここで働きたい」と志望しました。

「とはいえ、最初は、本当に学校なのかという印象もありました。不登校とか特別支援系の知識も全くなかったので、戸惑うことも多く、手探りをしながら生徒たちと接していました。ただ、この学校はとても生徒たちと先生との間のコミュニケーションが豊かで、生徒たちものびのびと過ごしているのが魅力です」。

先生になって現在2年目。「担任も持っていますが、生徒が30人いたら、一人ひとりが違う個性を持っているし、同じ子でも昨日と今日では違っていたりします。生徒に対して、どういう接し方が正解なのかな、というのは常に課題です」。

専門科目は理科。「生徒の学力のレベルもさまざま。あくまで私が伝えるのは、理科の『不思議さ』とか『おもしろさ』。それをきっかけに生徒自身が『どうして、そうなるのかな?』とか『どうして、そういう仕組みなのかな?』と考え始めてくれたらと思っています。それができたら、次に進んでいくのは、生徒たちは早いですよ」。

「学校は、その人にとって人生のステップのひとつ」とも語る江川先生。「なんとなく3年間を過ごすのではなく、ここで何か経験をして、何かできるようになって次に進んでほしい。そのためにまだまだ試行錯誤の段階ではありますが、自分にとって何ができるかを考えながら教壇に立っています」。