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これからのキャリア構築は、「好き」が原動力になる小池美穂(株式会社CxW(シークロスダブリュー) 代表取締役)

私が考える「これからのキャリア構築」とは、いわゆる「普通」や「一般的」という社会的な縛りにとらわれず、どんな形態で働くこともよしとする。自身の得意分野を極め、無限の可能性に挑戦し続け、その夢を実現したときに更に次の夢を見つけられる“夢の乗り継ぎ上手な人”こそ、これからの時代を牽引するキャリア構築上手な人だと考える。乗り継ぎとは、社内異動、転職、起業、フリーランス、ノマドワーカー、YouTuberなど形態は問わない。令和になったこの時代、全ての選択において正解と言えるだろう。

今年の夏に会社設立をした私のキャリアを少し遡って紹介したい。

高校時代、誰もが直面する進路選択。歌うことと子供が大好きだった私は、某子供向け番組に出演する「うたのおねえさん」になりたいという夢があった。一方、高校2年生の修学旅行のときに、大手旅行会社の法人担当の方と修学旅行委員長という関わり方で「働く」ことに興味を持った。
方向性は異なるが、人と関わることが大好きだった私。ある日、担任の先生であった音楽教諭から「うたのおねえさんになれなかったら、音楽の先生になりたいか?」という質問を受け、1枠しかないあの座がどれだけ難しいものかを思い知らされた。当時、うたのおねえさん以外に興味が薄かった私は納得せざるを得なかった。それからは、キャリアウーマンの道を歩もうと決意した。

大学は、大学2年生の夏休みにインターンシップが必修の女子大を選択。喉から手が出るほど楽しみにしていたインターンシップの紹介先は「老舗衣装サロン」。当時はブライダル業界への興味が薄かったため、サービス業というくくりで考えると、とりあえずは全然方向性の違う業界を選ばれなくてよかったという程度の気持ちだった。
いざ、2年生の夏休みになり、現場に到着すると…今まで見たことのない世界に衝撃を受けたことを今でも鮮明に記憶している。数百着にものぼる眩い輝きを放つウェディングドレスに囲まれながら、人生最高潮を迎えるお客様の応対をしているスタッフさんの姿が、ドレス以上にきらびやかに映った。そして、インターンシップ2日目にして「私が働くのはこの業界。でも私は衣装だけに特化したスタイリストではなく、結婚式全体をお手伝いできるプランナーという職に就きたい!」そう確信した。

ご縁あって、(現在は一部上場のブライダル企業)当時は小さなベンチャー企業であった会社にウェディングプランナーとして入社。まさにやりたかったことはこれだと言わんばかりに、日々学ぶことが楽しく、目を輝かせて仕事をしていた。
持ち前のコミュニケーション力が私のプランナーとしての道を加速させ、入社3年目でチーフプランナーに昇格。数字の管理とチーム育成そして誰よりも多い担当件数を任され、まさに責任とやりがいを感じるピークに達する。

そんな中、学生時代より頭の片隅に抱いていたホテル業界への夢が捨てきれず、自分自身への更なる挑戦をしたかったため、外資系ホテルに興味を持ち始めた。ただ、「外資系ホテル=英語を話せなくてはいけない」という先入観により、英語力と経験を積むために、ボランティアでもインターンシップでもいいので、ただただ海外修業を積みたいという結論へ達する。

留学経験もなければ、英語力はクラスで下から数えた方が早かったほどの成績の私が、まさか海外を意識するなんて思ってもいなかった。考えるよりも行動しながら考えるタイプの私は、海外で働くことを斡旋してくれるエージェントに登録。カウンセリングを重ね、見様見真似で英文の履歴書を作成、何度も押し寄せる添削の嵐。面接対策、予行練習、そしてついにオンラインでの本番を終え、幸運にもオファーが舞い込んできた。そこはインド洋に浮かぶ真珠の首飾りと呼ばれているモルディブ共和国の5つ星リゾート。モルディブはとてもユニークな国で、1島1リゾートにて構成されているため、世界で一番安全に働ける環境だということを家族、友人、会社に押し切れると確信し、即決。

当時27歳の私は、訳も分からず荷物をまとめ、野望だけを持って出国。このとき不安要素は一切なく、広い世界を体験できる期待値しかなかった。
到着直後のヒアリング力はほぼなく、人事部に駆け込み、英語を教えてほしいと直談判。LとRの発音から教えてもらい、3ヶ月で問題なくコミュニケーションが取れるようになるまでに成長。1年間レストランサービスで経験を積み、英語力と国際的なコミュニケーション力を習得する。雇用の延期をオファーされたが「外資系ホテルのプランナーになる」という明確な夢があったため、帰国を決意する。

そして、晴れて都内外資系ホテルのウェディングの仕事に就けた。涙が出るほど嬉しい達成感に浸りながら、その期待値はとても高かった。過去の経験もきちんと繋がり、5つ星ホテルに合う接客を行い、高い顧客満足度と売り上げを得る。

ただ、当時の私にとってその夢が叶ったこと以上に、海外で働くことが自分にフィットしていると感じ、再度海外へ目を向ける。もう私が働くのは日本という場所だけでなく、世界を舞台に働ける。そう確信した瞬間でもあった。

その後、インドネシア、ドバイ、モルディブへ同時に応募をしたところ、運命的にも良い返事をいただけたのはモルディブからだった。
幸運にもそのリゾートはモルディブ屈指の6つ星リゾート。セレブリティや王族を日常的に相手にする超高級リゾートだった。そこで、パーソナルコンシェルジュという24時間体制のバトラーサービスを行う。中でも、ビーチを貸切にしてプロポーズをしたいという依頼、ビーチでヒールが履けないのでボードを敷いて欲しいという要望、来年またここに泊まるから荷物の一式をそのまま置いていき、翌年全く同じセットアップで準備しておいてほしいなど無理難題を強いられることも日常的にあった。ただそこで、決してNOと言うことなく、お客様の真意に寄り添い、チームで協力し合ってできる限りの努力をし、ゲストの期待値以上のサービスを提供した。

日本では決して応対するようなことができないゲストエクスペリエンスを得た私は、都内外資系ホテルのフロントスーパーバイザーそしてゲストリレーションズとなり、本年初夏に開業を迎えた外資系ホテルの開業前より、コンサルティング業務を兼ねてウェディングコンシェルジュとして携わっている。

現在は、今までの国内外の経験を次世代に伝えたい基盤を元に、世界規模でのキャリア構築とウェルネスを大切にしながら心身共に輝かしく生きてほしいという願いから会社を設立した。自分自身では気付いていない秘められた可能性を最大限に引き出すことによって、その人の人生の幅が限りなく広がってほしい。

これからのキャリアはどんな働き方でも認められる令和という時代。気になることは、その瞬間にどんなことへでも挑戦してほしい。「やらない後悔より、やる後悔。」そう、この言葉に尽きる。


小池美穂(株式会社CxW(シークロスダブリュー) 代表取締役)

大手ブライダル企業ならびに外資系ホテルにてウェディング業界の最高峰を経験したのち、モルディブ共和国にある6つ星リゾートにて、バトラーとしてグローバルな環境で国際基準のホスピタリティ力を磨く。現在は、東京に拠点を戻し、外資系ホテルのウェディングコンサルティング事業に参入。また、ホテル・ブライダル専門学校にて特別講師として登壇中。世界に通用する無限大のキャリア(Career)を健やかな心身(Wellness)で構築してほしいという想いの元、株式会社CxWを起業。

(メールマガジン第32号(2022.11.7配信)に掲載)