技術力をかけて、全国から集結!
~第26回 全国学生技術コンテスト~
2022.11.18
5つの部門で技を競い合うコンテスト
10月27日に池袋で行われた「全国学生技術コンテスト」。今年26回目を迎える本大会は、全国の理容美容専門学校で学ぶ学生のみなさんがカットやスタイリングなどの技術を競うコンテストです。今回は全国から74名が参加しました。
審査部門は大きくわけて5つ。ロットと呼ばれる道具で髪を巻く技術を競う「ワインディングの部」、カットのデザイン性を競う「デザインカットの部」、髪をアップにして華やかさを競う「アップスタイルの部」、時間内にヘアスタイルのデッサンを行う「ヘアデッサンの部」、ネイルのアート性を競う「ネイルアートの部」。当日、ネイルアートは作品が展示され、それ以外の4つの部門においては、会場とリモートの2拠点でコンテストが行われました。
いざ、本番!メンバーと一緒に取り組んできた練習の成果を見せる
北海道美容専門学校の理事長・校長である、布川耕吉先生より開会宣言がされると、場内は一気にピリッとした緊張感ある雰囲気に。
午前中は、ヘアデッサン、デザインカット、ワインディング1年生と2年生の部が同時にスタート。事前に準備してきたカット用のマネキンに、それぞれワインディングやカットを施していきます。各選手は机の上にタイマーをセット。コンテスト会場を審査員の先生方が見て回り、評価をつけていきます。
中には、緊張からか手が震える学生さんや、中腰になってワインディングをする学生さんの姿も。
それぞれの競技時間は25分~1時間といずれも短いものでしたが、みなさんの顔つきは真剣そのもの。華麗な手さばきを披露していました。また、リモート参加となったヘアデッサンの学生さんたちの様子が、随時ステージ上の画面で映し出されており、この時代ならではの、距離を超えた会場の一体感も感じられました。
午後は、ワインディングデザイン巻の部とアップスタイルの部がスタート。審査員が見て回る中、後ろの席では、午前中に競技を終えた学生さんたちが見守ります。
すべての競技を終えると、選手のみなさんも「やりきった」という安堵の表情に。北海道から参加したという学生さんからは、「6月頃から出場メンバー全員で、この日のために練習を重ねてきました」「コンテスト直前は、放課後だけではなく朝練もして、やるべきことはすべてやってきました」というコメントが聞かれました。
一方、新潟から参加したという学生さんは、「2年生なので今回が最後のコンテストになります。練習通りの力は発揮できましたが、出来栄えには少し後悔もあります」という悔しさをにじませる発言も。
文部科学大臣賞ほか受賞者が決定
休憩をはさみ、いよいよ審査結果発表です。
それぞれの部で受賞が決まる中、ワインディングデザイン巻で文部科学大臣賞に輝いたのは、京都理容美容専修学校の大江楓さんです。「左右対称になるよう1本1本丁寧に巻くのがとても大変でした」と語り、「練習でうまくいかないなと思った時、先輩や先生、出場メンバーのみんなに相談しながら技術を磨いてきました。技術的にも気持ちの面でもサポートしてくれたから、受賞できたと思います」と笑顔で答えてくれました。
アップスタイルの部で文部科学大臣賞に選ばれたのは、京都理容美容専修学校の千秋樹李さん。「近くだけではなく、遠くから見たときにも綺麗に見えるように全体のバランスや形を整えるのが大変でした」とのコメント。「髪の巻き方だけではなく、飾りがどこにあると映えるか、細かく確認しながら今日の舞台に臨みました。教えてくださった先生方にはとても感謝しています」と嬉しさを隠せない様子でした。
デザインカットの部で文部科学大臣賞に輝いた赤松由菜さんは、「どんなカットを表現しようか、コンテストギリギリまで悩みました。いろんな人の作品やインスタグラムを見て研究し、アイディアを形にするまでがとても苦労しました」とコメント。頭でいろいろ考えるのではなく、手を動かしながら発想をふくらませていった、というコメントがとても印象に残りました。
コンテストを通して、自分の進みたい道を改めて認識
また、競技を終えた学生さんたちに将来どんな美容師になりたいのかを聞いてみると、「カラーリングが得意な美容師になりたい」「将来は講師として、教える立場になりたい」などさまざまな声が聞かれました。このコンテストを通して「自分がどんな美容師・理容師になりたいか」それをはっきりと知る、そんな機会になったようです。
最後に、杉本泰子名誉大会委員長からは、「コロナの影響で少ない参加人数となりましたが、一生懸命競技に取り組んでいただいたこと、嬉しく思います。社会に出てからが本番です。学校で教えていただいた以上の成果を目指して、みなさん頑張ってください」とエールを送っていました。
コンテスト終了後は、会場全体をおおっていた緊張感が解け、一気に和やかな雰囲気に。あちらこちらで記念写真を撮影する姿が見られたり、「おめでとう!」といった互いの健闘を称えあう声が聞こえてきました。
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