大阪市北区中津プロジェクト編
大阪工業技術専門学校 建築設計学科の設計製図の授業では、地方自治体からの依頼によるまちづくりの提案や、民間企業からの依頼によるマンションリフォームや店舗設計提案など、地方自治体や企業様の実際の要望に応じた課題に取り組んでいます。
担当教員・岸上先生と、提案を行うまでのプロセスを振り返りました。
今回の1年生の授業では大阪市北区中津地区のまちづくり提案に取り組みました。
中津は、梅田に隣接しており、開発が進む「うめきた開発地区」と昔ながらの地区が混在するまちです。
中津の中であれば、何をテーマにするかは学生次第。
2か月かけて自治会や住民の方にヒアリングを行い、中津を探索しながら学生自身で課題を発見し、最後には大阪市北区長や住民の方々の前でまちづくりの提案を行いました。
以下では、「地蔵盆」復活の提案を行った学生の声をご紹介します。
中津の自治会長や住民の方やまちづくりセンターの人が集まって、中津についていろんなお話をしてくださいました。まちの魅力や移り変わり、防犯の話、商店街のことなどなど……。
その過程で、中津は「お地蔵さんが多いね」と話していたことを思い出したんです。
そこから情報を洗いなおしたところ、4丁目にあった「地蔵盆」(注)がなくなってしまったことが判明しました。
住人の「残したい」という希望に反してお地蔵さんが撤去されたことにも違和感があり、地蔵盆にテーマを絞りました。
(注)「地蔵盆」とは、 地蔵菩薩の縁日を中心に行われる、子どもたちが主役の行事のことをいいます。 日本では古くから地域や子どもの守り神として、地蔵さんが信仰されていました。
最終的に「地蔵盆復活PROJECT」と題して、地域で地蔵盆を続けられる仕組みをつくりました。
今まで住民が地蔵盆を残したいと思いつつも、実践できなかったのは、管理者の所在と手法がわからないことが原因でした。
そのため、運営の面では、町会を中心に組織体系を構築して他の地域との連携をとりやすくしたり、地蔵盆の役割分担を行うことで運営側一人ひとりの負担を軽減したりする提案をしました。
その手法としては、魅力的で簡単に設営可能な「地蔵盆テント」、子どもと簡易な「地蔵盆灯篭」をつくるワークショップ、過去事例や使用できるアイデアを記載し情報の追加にも対応できる「地蔵盆マニュアルカード」の作成を提案しました。
2021.10.19
大阪工業技術専門学校
大阪市北区天満1-8-24