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OBOG INTERVIEWスポーツ選手が試合で力を発揮できるよう体づくりやモチベーションアップを支える

横山 正吾(よこやま・しょうご)さん

テニスナショナルチームトレーナー(ご所属は2019年時点の情報です)

学校法人・専修学校 大阪社体スポーツ専門学校

今の仕事の内容は?

私の仕事はスポーツ選手のフィジカルトレーニングを行うことです。選手の能力や、その時の状態に合わせてトレーニングプログラムを組み立て、体の動きを確認して、より力が発揮できるようアドバイスを行います。選手の遠征試合に同行する場合は、試合から逆算してプログラムを考えたり、その土地の気温や湿度など気候の違いに合わせて内容をアレンジしたりもします。大事なのは、選手が持っているパフォーマンスを試合で発揮できるようコンディションを整えること。そして、1年を通して行われている試合にけがなく臨み、技術の向上を目指せるように体の状態を整えておくことです。そのためには、技術指導を行うコーチやリハビリ担当のトレーナーなどとも協力しながら、その時々のベストコンディションを探っていきます。トレーニングに関する知識があることは大前提で、その日の様子の変化を見極めるための洞察力や、必要に応じて対応を変える判断力や決断力が求められます。また、スポーツトレーナーにはもう一つ大きな仕事があります。それは、「選手のモチベーションのコントロール」です。練習前のウォームアップを担当するのもトレーナーの仕事ですから、体と一緒に心も起こし、選手がより高いモチベーションで練習に臨めるように引っ張っていく力も必要です。特に寒い時期や気候の違う海外では、ウォーミングアップはけがの予防にもつながります。

今の仕事を選んだきっかけは?

高校までは地元・高知県で野球をしていました。ポジションはピッチャーです。ピッチャーというのはほかの野手に比べて、トレーニングや調整を個人の自由に任されることが多いため、中学生くらいから自分なりのトレーニング法を考えたり、体の使い方の本を読んで研究したりするのが習慣になっていました。部活を引退し、将来の進路を考えたときに真っ先に浮かんだのがトレーナーの仕事でした。大好きなスポーツに関わりながら、体を動かす楽しさをたくさんの人たちに伝えていきたいと思ったのが一番の理由です。

今の仕事のやりがいは?今後の夢や目標は?

多くのトレーナーは企業や団体に所属して仕事をしますが、私はフリーランスとして働いています。いつも心がけているのは、選手からするとネガティブなものに捉えられがちなトレーニングというものを少しでも楽しいものにして、選手に必要性を実感してもらうための方法を考えることです。これまでたくさんの選手を見てきましたが、トレーニングはやらされるよりも自主的に取り組める選手の方が、きちんと結果につながっています。ですから、選手自身がやる気になって試合でいい成績を出すことができたときは、自分のこと以上にうれしくなりますね。

卒業した専修学校を選択した理由は?

正直に言うと、大学に通うだけの金銭的な余裕がなく、それならばと考えたのが専門学校への進学でした。大阪の高校で体育教師をしている親戚がいたので相談したところ、「本気で学びたいなら大阪社会体育専門学校がいいのでは」とアドバイスをもらいました。聞けば、いい意味でとても厳しく、真剣に資格取得を目指す学生が集まる学校ということで、私に合いそうだなと感じました。高いレベルの環境で教養から実習までしっかり学べる点にも興味を持ち、決断しました。また、奨学金を借りられたおかげで、大きな負担もなく、大阪で一人暮らしをしながら勉学に励むことができました。

専修学校時代の思い出は?

1年次は一般教養や基礎を学ぶことが中心だったので、別の専攻の人たちと一緒にエアロビクスや水泳などの授業を受けることも。また、解剖学や生理学といった難しい授業も多く、正直、最初は戸惑いました。2年次からはコースごとに分かれましたが、一番の学びになったのが実習です。卒業生が働く大学のアメフトチームに入って選手のリハビリなどのトレーニングをお手伝いするのですが、トレーニングの知識だけでなく、身体の仕組みと機能について知らないと本当の意味で役に立てないことを痛感しました。その時に学校で1年次に学んだことがいかに大切なことだったかを実感し、社会で通用するトレーナーになるためには目的意識を持って学ばないといけないんだと思いました。ちなみに、その時に出会ったアメフトチームのトレーナーが、私の仕事上の恩師なんです。

学校での学びが活かされている仕事の場面は?

スポーツトレーナーの仕事は、世界中どこででも求められる専門職であり、志望する人も多くいます。ライバルが多く、知識や技術力が高いからといって必ずしも活躍できるとは限らない厳しい世界です。今の私があるのは、専門学校で同じ志を持つ仲間と切磋琢磨し、人間力を磨く経験があったからこそだと感じています。

2021.03.09

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