OBOG INTERVIEW仕事の面白さは私たちが提案した家具の空間で、たくさんの人に喜んで使ってもらえること
松尾 真之介(まつお・しんのすけ)さん
家具デザイン会社・MAKE AND SEE 社長(ご所属は2019年10月時点の情報です)
中央工学校
今の仕事の内容は?
家具のデザイン設計や製造を行う会社の社長をしています。
レストラン、ホテルなど、それぞれの場所に合った家具の提案を行います。一つのプロジェクトには、打ち合わせ、プランニング、現場視察、図面製作、進行・予算管理、納品といった業務があり、そのプロジェクト全体のマネジメントも行っています。社長としては、社員の採用・育成、資金繰りやITインフラ整備なども大切な仕事です。
社員数は家具設計デザイナーなど約10名。中国、ベトナム、カンボジアなどの海外へ、商談や視察に行く機会も多いです。ちなみに社名の由来は、中国語で「大丈夫!問題ないよ!」を意味する、「没关系(メイグアンシ)」の読み方を英語で当て字にしたものなんですよ。
今の仕事を選んだきっかけは?
モノづくりに興味がわいたのは、小1のときです。父の経営する会社がモノづくりの得意な会社で、そんな父に憧れたのがきっかけ。家具に興味がわいたのは、高校の頃に観た映画の影響。映画に登場するインテリアや空間構成の美しさに惹かれ、この道に進みました。
専門学校時代には「モノづくりで事業を起こす(会社を経営する)」という目標を決めていました。そのために必要な知識と経験を、いろんな会社にお世話になりながら、着々と蓄えてきたということになります。就職した会社でいろんな仕事を教えてもらい、3つ目の会社で自分の目標に必要なキャリアをすべて身に付け、今なら自分で会社が作れる!と思い、独立起業しました。
今の仕事のやりがいは?今後の夢や目標は?
私は、ホテルやレストラン、ブライダル施設といった商業施設などの家具を提案・デザイン・製作する会社を経営しています。そうした特注家具と、既製品の両方を扱っていますが、“1社でデザイン・プランニングから製作まで行える会社”は、日本ではほかにほとんどないのが自慢。社員は10名ほどいますが、彼らと力を合わせてモノづくりの最前線に携われることが私の喜びですね。また、依頼をしてくれたお客さまやインテリアデザイナー、“私たちが携わった空間(ホテルなど)”で時間を過ごした方々から、「雰囲気がよくなった!」「イメージしていた以上!」などと言っていただけるのもうれしい。身近にある家具というモノで、たくさんの人を笑顔にできる素敵な仕事ですよ。
卒業した専修学校を選択した理由は?
モノづくりを追求するため美大に行くか、柔道が強い大学に行くかと進路に迷っていました。しかし父の経営する会社が倒産し、経済的に困難となり、大学進学を断念。大学に進学するための費用を貯める目的で、海上自衛隊に入隊しました。その後美大進学を考えたのですが、美大進学にはそのための予備校通学が1年必要。海上自衛隊で過ごした2年を足すと、自分は新卒に比べて就職が3年遅くなってしまう――そこで、早く技術が身に付き早く卒業できる専門学校を選択し、中央工学校/インテリア工学科(現インテリアデザイン科)に入学しました。
専修学校時代の思い出は?
学校の授業で一番大変だったのは、1年の基礎製図の授業です。木造から鉄筋コンクリート造(RC造)までさまざまな建築物の建築図面を描きますが、最初は描き方がよくわからないままだったので、ちょっと大変でした、1年ではこうした基礎製図や構造計算などを“広く浅く”学びました。2年から自分の興味ある内容(専攻)に集中していけるので、そこからは楽しかったかな。
学校での学びが活かされている仕事の場面は?
専門学校では、1年のときは基礎製図、基礎造形などのデザインや素材の基礎を学び、2~3年はファニチュアデザイン専攻に進んで家具を設計して作る授業などを受けました。「家具の三面図」を手書きでひたすら何枚も描くという授業もありました。パソコンを使ってデザインする現在でも、初めは手書きでアイデアを形にすることが多いので、その経験が役に立っています。
~ 未来の後輩へのアドバイス ~
私は、仕事をするうえでいろんな失敗を経験してきました。何をどれほど学んでも“失敗を事前に完全回避する方法”はありませんから、起きてしまった失敗をどうやって挽回し、相手の信頼を回復するかを一生懸命考えて実行に移すことを大事にしています。おそらくその積み重ねは、自分の糧となっていきます。ですから高校生の皆さんも、失敗を恐れずに、今のうちにどんどん失敗しておいてほしい。そうすれば社会に出てから、多少の失敗でもへこたれず、前に進んでいけるのではと思います!
2021.03.09
中央工学校
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